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すごく好きな歌手がいる。


彼女の人間性が好き。


人に歌に、とても真摯に向き合う。
涙も苦労も感じさせない笑顔。
届けるために全力。

とても強い歌をうたう。



今年、彼女の歌を初めて生で聴いた。


わたしは声が聞こえるあいだ、ずっと泣いていた。

文字通りずっと。3時間くらい。




今まで映像や音源や、フィルターを通してしか触れられなかった彼女が、

じかに発するものは凄まじかった。


彼女が生涯を賭けているものを、全身で浴びた。


自分の触れる範囲の中に、それがある。


そう気づいた瞬間、私は思っていた。



同じものが見たいと。


歌手になりたいとかじゃない。


かぞえきれない人の涙を流し、希望を与える彼女のように、わたしもなりたいと思ってしまった。

同じ空間にいたから。同じ生き物だと思ってしまったから。

同じだから出来ると思ってしまった。こんな、はしくれでも。



わたしはその頃、煩(わずら)いが酷くて、まいにち痛い痛いと叫んでいた。

良くなっていく過程で、彼女の歌は必要不可欠だった。
彼女が全力で届けた歌に、救われたのだった。


生ぬるいものじゃ、出来ない。本物の気持ちにしか出来ない。



人の芯に、力を注ぐこと。

同じ生き物なら、私にもそれが出来るはずなのだ。
自分への自惚れじゃない。人の作るものには、本当にその力がある。



大好きな人たちに、まだ出会っていない人たちに、希望をあたえるもの。救うもの。


自分の力で自分のために生きようと、人に思わせるもの。
受け継がれるもの。

その境地まで行ってみたい。

わたしは我儘だから。
そこまで行ってみたいのだ。



本物は誰でも作れる。

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